【アルゼンチン共和国杯・みやこS】最終見解

　骨折明けで臨むレースで去年同レースの勝ち馬だが、そのときと比べると斤量54kg→57.5kgの3.5kg増。不安点を考えるとどうかというところだが、前走舞台適正のない天皇賞春で58kgは経験しているため、そこまで問題ないとみている。さらに挙げると、去年のアルゼンチン共和国杯では前走から12kg増えての参戦で、馬体的にもやや太め残りの状態だった。フルゲート大外発走で3番手につけ、直線でハナにたつ勢い。じわじわと加速し、さらに後方と距離を離して2着馬と1 1/2馬身差の快勝。高い東京適性もあっただろうが、馬体が仕上がっていない中でこの勝利は強い証。

　今回きっちり仕上げてきている印象で、動きも良い。過剰人気している印象ではあるが、自己条件で臨める今回、勝つ可能性が一番高い馬はこの馬ではないだろうか。頭はこの馬から考えていきたいと思う。

　岩田望騎手はアイアンバローズではなくこちらに騎乗。この馬は外目の枠に入ると成績が悪い。スタートはそこまで行き脚が付かないので、中団待機。内々からロスなく回して、3,4角からポジション取り。直線で大外突抜が前走の勝ち方。かなり強い勝ち方で、注目すべきはトップスピードに達するまでの速さと、持続力の高さ。道中脚を溜められればこの競馬ができるはず。3勝クラス上がりではあるが、斤量も減ってこの馬の乗り方を分かっている岩田望騎手なら十分にチャンスはあると思う。

　外枠に入ったら割引予定だったが、3枠5番の絶好枠。残り4Fからのロンスパ戦にも高い適性を持っているため、勝ち負けだろう。

　今回はダンビュライトにハナを切ってもらう予定。この馬は基本1-3番手を取ってきた馬で、今回の舞台はスタート後に1角までがそこまで長くないので序盤のポジション争いが激化するはず。そうなると大外から発走するこの馬は無理やり前を取りに行く必要がある。そうなったときに理想的な位置から競馬できるのがヴェンジェンス。前に1,2頭馬を置いて、直線でさらっとかわす競馬が可能なはず。内枠でもまれるかの心配があったが、内からきっちりスタートを決めれば問題なく追走できるはず。

　3,4角からじわっとペースを上げて直線でもうひと伸びする競馬をしてきており、前から競馬できるのであれば壁による不利も受けづらいのでこの馬らしい競馬ができると思う。去年のみやこSも勝っており、京都専用かと思われたが、3走前の三宮S(OP)で強い勝ち方ができたため、今回も行けるはず。

　クリンチャー・オーヴェルニュは休み明けで動きがベストではなさそうという点で上位人気馬に一抹の不安が出てきており、その中で状態面がよさそうなのがメイショウムラクモとこの馬。メイショウムラクモに関しては前走・前々走と強い勝ち方をしてきたが、4歳以上の相手と戦えていないため、今回どこまで自分の競馬ができるのかが疑問。位置取りもある程度前を取れればというところ。そうなるとそれなりに速いペースで安定して2-4番手を取ってきたスワーヴアラミスがよさそうに思える。

　右回り適正も抜群で、中山で好走している点から急坂も問題なし。理想の形で直線を迎えることが可能なのでこの印に。鞍上もこの馬なら重賞で勝つ競馬ができる。