【天皇賞秋・スワンS】最終見解

　内目の馬はそれなりに前を取りに行くことで、この馬はすんなり埒沿いに付けられる可能性が高い。普通に戦うとこの馬は上位3頭には通じないが、距離ロスなく進み、直線でうまく進路が確保できれば馬券内は十分入ることができると考えている。前走の毎日王冠を見ていただくと分かると思うが、この馬は直線で外に回し大外一気の競馬を選択した。結果的に外出しのタイミングが遅れたこと、真横移動で持ち味の差し脚が存分に使えなかったことにより、上がっては来るも届かず6着。ここで余した脚を今回使ってくれるはずである。

　さらに今回距離延長で道中息の入る展開、かつスムーズなレース運びが予想されるので、前走同様、もしくはそれ以上の末脚が見られることを期待したい。そもそもこの馬は上がり3Fタイム自体が優秀で、このメンバー中2位のタイムをもっている。頭は厳しいかもしれないが、馬券内は期待しても良さそう。

　枠的にも恵まれ、内枠前目の馬が有利に展開される今回の舞台は向いている。他の上位人気と比べると2000mへの適性の高さは抜群で、府中の舞台も問題なし。過去の好走レースでは今回の想定ラップに合致するレースが少ないが、共同通信杯のレースラップを考えると十分カバーは可能。個人的に今年の3歳はG1最前線でも活躍できるという期待、道中で脚を削られるほど速い展開にもならず、前目から直線で突き抜ける＆しぶとい末脚が使える点で頭候補としては安定感は高いと考える。後傾ラップとはいえ直線上がり勝負というわけではなく、最後200mの持続力対決と想定しているのでこの馬向きのはず。

　阪神との相性もよく、レースを見てみても急坂でのスピードのノリもいい。中団前目から競馬ができる点、右回りで速い上がりが使える点でも高い評価をしたい。馬場が渋ってタフな馬場になると厳しいが、パンパンの馬場で時計が出るような馬場になると走れるタイプ。

　今回想定される高速馬場でいい競馬をしていたのが道頓堀S（3勝クラス）。このときの勝ち馬は短距離G3でも好走経験のあるジョーアラビカで1,2着馬に外から差される展開。ペースも速く、前の馬が早々に垂れ、差し馬に有利な展開でこの馬は3番手外目追走から直線でもう一伸びして3着に滑り込み。やはりここでも急坂で再加速できている。つまり今回の舞台はかなりこの馬にマッチしている可能性がある。近3走は条件的にもこの馬向きではないので度外視。外目の枠なので無理に前を取りに行くことはないと思うが、今回、マイスタイルが外からハナを取ることで先団のペースがかなり速くなる可能性あり。そうなると先行勢が苦しい展開になり利を被るのが外差し馬。今回後ろ目からの競馬になっても全体2位の速い上がりが使えるので問題なし。

　4か月の休養明け。2走前の阪神牝馬Sでは急坂を軽快に上るもその後失速。おそらく1400mあたりがベストだろうかという印象。3走前の京都牝馬Sでは、大外枠でやや後ろ目からの競馬。直線でうまく前が空いてまっすぐ走ることができたものの、鋭い末脚を使うタイプではないため、じりじりと加速して2着。逃げていた馬と0.3秒差と離される結果となった。このときはたまたま後方から結果が残せたが、走法的には前目からしぶとい脚を使う方がこの馬の良さが発揮できる。大外枠を引くとこのレースの再現となり、差し損ねる可能性が高いため内-中枠を引きたいところだったが、今回は4枠8番。問題なくこの馬の競馬ができるはずである。上がり3F持ちタイムはガゼボに次ぐ3位で、急坂適性も抜群なので実力は通用するはず。休養明けなのがどうかという点で2番手評価。